Classici giapponesi con furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (おちぼ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 25.621 caratteri · 52 schermate
五
青く深く澄んだ空に星の光りがいかにも遠く遙けく見える。都会のどよみはただ一つの音にどやどやと鳴っている。矢野は自分はこの青空とも関係なく、この都会のどよみにも関係なく、ただ独りでここにいるような気がする。あすにも学校をやめて帰りたいような気もする。どうもおかしいと気がついてみれば、たしかに少し発熱している。矢野は立ってる力もなくなって、夜具を投げ出し着の身きのままに寝てしまった。
五
寝ているとの手紙を受け取って、大木はさっそく矢野を見舞った。寝ている事と思って来てみれば、出たあとで留守である。室へはいって待ってる。あまり取り散らしてもいない。大木も少し安心して待つうちに、矢野はそれほどやつれたふうもなく笑いながらはいって来た。
「君どうした、僕は寝てる事と思って来たよ。出歩かれるくらいならまずよかった。」
「え、熱が出まして二日寝ていたんです。今医者へ行ったんです。」
「医者はなんといいます。」
「なにたいした事はない、熱がなけりゃ学校へ行ってもいい。少しは肺尖が悪いばかりだ、力を落とすことはないといいます。」
「………そりゃよかった。まあ無理をせんことだ。