Classici giapponesi con furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (おちぼ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 25.621 caratteri · 52 schermate
健康な人、位置のある人、学問のある人、金のある人、それぞれ自分の力に任せて、自分のやりたい事をやりつつ、人がどんなに困っていようとて、そんな事は見向きもしない。社会活動の渦からはねとばされ、もしくははねとばされんとしつつ、なにもかも思うようにできないで、失意に嘆いてる人などに、ひとりだって同情するものはない。同情するような口振りもし態度もするけれど、心の底から同情するものはひとりもないのだ。思うようにゆかないのが人世だなどと、社会の悲劇を慰みものにしてさわいでる人間が多い。
弱く生まれたのが自分の不幸には相違ないが、人間というものは実際いやなものだ。考えれば考えるほど生きているのがばかばかしくてならない。それだから世間には自殺する奴も多いのだ。さらばといって自殺したとて世間の奴らは屁とも思って見やしない。だから死ぬのもばかばかしい。なんだかいまいましくてたまらないような気がする。
矢野は手をふところにして机により掛かりながら、一筋にこう考えつめて来て、ハッと気づいた。また自分の事に考えが落ちてきた。おれはこれだからいけない、まったく病気のせいだろう。