Classici giapponesi con furigana
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おちぼ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (おちぼ) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 25.621 caratteri · 52 schermate
退学ということが両親兄弟を極端に失望せしめ、一家将来の生活上に困難を来たし、一方には自分の栄誉それにともなう希望などが、根底より破壊せらるるように考え来たり候えば、胸の痛みたえがたき思い致し候う。それも平凡人の悲しさに候う。先生のお手紙を見ると先生は僕の意味するところからいっそう高い事について話し被下候うゆえついに僕の心も開かれてしまい候う。仰せにしたがい成るべく決定を延ばし可申候う。
矢野は手紙をよこしておいて翌夕大木を訪ねた。矢野は自分の考えを大木につげ、大木の考えを手紙に聞いただけでは満足ができない。大木の声に接し大木の口ずからの話しでなければ、真に腹にしみないのだ。けれどもきょうは別に何を聞こうとも、何を話そうとも思わないできたのである。大木は維摩経を見ておった。
話は維摩経から始まる。
「ある和尚に君の事を話したらば、維摩経を見ろといわれ、借りてきて見てるがわからんよ。」
「病気の事が書いてあるんですか。」
「そうです、なんなら君、持ってって見たまえ。」
「えい。」
「そりゃそうと君どうです。」
「え、別に悪くもありませんが、よくもありません。僕はもうからだを病気に任せました。