Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
「ま、よござんす。……わかりましたよ」
と、いって横をむいた。西貝は煽てるような口調で、
「三つ四つ撲りつけるのは関わんさ。その位のことがなくちゃおさまらんだろう、なあ、古田氏……」
那須は眉をしかめて、
「よして貰おう。さっきも言ったように、今日はそういう趣旨じゃないんだから。……それに、(皮肉な眼つきで古田の顔を見ながら)下手なことをすると、古田君、胸板にズドンと風穴があくぜ」
古田は眼を見はって、
「じゃ、ピストルでも持ってるのかね、野郎……」
那須がうなずいた。西貝はせせら笑って、
「本当か、おい、那須。……また附拍子を打ってるんじゃねえのか」
那須ははねかえすように、
「ご承知のように、アナシェビーキの一派は、大抵みな持ってるからね。それで、あいつだって持ってるだろうと思うのさ」
西貝は、えっ、あいつが……と、いいながらはね起きた。古田は判ったような顔をして、首をふりながら、
「アナヒ……、ふむ、なるほど。……道理で胡散臭いと思ったよ」
と、いった。すると、那須は皮肉な調子で、
「ふん、胡散臭いやつはどこにもいるさ」
と、いいながら、なに気ない風で、ジロリと西貝を見た。