Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
二人で力一杯に扉を叩く。……依然として返事がない。なにかひどく臭う。
「……オイ、いやな臭いがするじゃないか……(なにか考えていたが、急に顔色をかえると、おしつけるような声で)俺は知ってるぞ、この臭いを……。おい、若い衆! 早く交番へいって巡査をよんでこい! 早く!」
ボーイが駆けだす。酒鼻は男のあとからのっそりとおりて来た。すこし震える声で、
「巡査をよびにやった。……扉がしまっていて、……それに妙な臭いがするんだ」
「どんな臭いですか」
と、二十日鼠がたまげたような顔できいた。
「……行って、かいでごらんなさい。すぐわかるから……」
二十日鼠は動かなかった。
「いつもこんなによく寝こむのか」力一杯扉を叩いてから、巡査が男にたずねた。「そうじゃない? ……じゃ、ひとつ開けて見よう。……鉄槓杆があるかね? ……なかったらどこかへ行って借りて来い」
男が鉄槓杆を担いできた。巡査は槓杆をうけとると、扉の下へそれを差込んで、ぐいともちあげた。蝶番がはずれた。錠の閂下がまだ邪魔をしている。うん、と肩でひと押し。扉は内側へまくれこんだ。
むっとするような重い臭いが鼻をつく。