Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
かんべんしてください。……いまのは、私の冗談ですが、……でも、司法主任がそういったというのは嘘じゃありません。……こんなことを言ったら、また気を悪くなさるかも知れませんが、……現に、あそこに、……(そう言いながら、卓の上へ低く顔を伏せると、ささやくような声で、葵にいった)葵さん、そのまま、しずかに顔をあげてください。(葵は顔をあげて怯えるような眼つきをした)……いや、なにも恐いことじゃありません。……奥から三番目の柱の横の……椰子の鉢植のそばの卓に、男が一人坐ってるでしょう。……見えましたか? ……(葵がうなずいた)そう。……あれは警察の人間です」
葵は眉をひそめながら、ほとんどききとれぬような声で、いった。
「……もう、すんだと思ってたのに。……いややわ」
久我が、つづけた。
「あの男を、私は洲崎署の刑事室で見たんです、二度ばかり。……(西貝と乾に)さっきお二人が、あの男の傍をとおりぬけようとすると、あの男は、お二人のほうを顎でしゃくって、誰れかに合図してました」
西貝が、高っ調子でいった。
「じゃ、たぶん小生の知っとるやつだろう。……小便しながら面を見てくる。