Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
一、火急に就き小生の身分は申上げず、御面晤の折万々御披露可致候
二、小生は貴殿が相続の資格を有せらるる未知の遺産につき、至急御通知申上ぐる義務を有し候
三、右は不動産、有価証券並に銀行預金にて、財産目録は御面晤の折御一覧に可供候
四、右は貴殿に於て当に失格せんとするものにて、至急資格申請並に諸般の手続を了する必要あり、猶々以上の外公表を憚る錯雑せる事情之有、御面晤の上篤と御説明申上ぐる外無之に付、左記場所まで日時相違なく御来駕給り度願上候
敬具
六月四日
一、六月五日、午前十時。
一、深川区枝川町二二五番地。
「那覇」、絲満南風太郎方。
二十日鼠は椅子にかけると、不機嫌な顔をしてだまりこんでしまった。青年はすこし顔を赧らめながら、
「……僕も幼稚なんですねえ……その手紙はここに持っていますが、……でも、僕にも多少そういうこころあたりがあるので。……もっとも、半分は好奇心ですが。……(そして、微笑しながら娘に)あなたもそうですか」
と、優しくたずねた。
娘はやっと顔をあげると、もの悲しげにつぶやいた。……美しい声であった。
「あたし、半月ほどまえに、はじめて東京へ出てきまして、いま新宿の〈シネラリヤ〉ではたらいておりますの。