Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
「そうならそうと勝手にきめとけばいいじゃないか。なにも俺に念をおすことはなかろう。……(大きな声で)執拗すぎるよ、君は」
「ま、そう腹をたてずにおしえてくださいよ。(脅かすような眼つきをして)さもないと……」
キッとして、
「さもないと、なんだ」
「へ、へ、あたしは手も足も出ないんです。……それはそうとねえ、西貝さん。久我が刑事だという噂もあるんだが、あんた知ってますか」
「警視庁の高等課で会ったことがあるって、だれか言ってたが……」
「やっぱり知ってたのか。……ひとが悪いねえ、あんたも。……しかし、それは本当ですか」
「大阪府警察部の思想係だというんだが、本当かどうか俺は知らん」
乾はわざとらしく首をひねりながら、
「……すると、台湾へは絲満の身元調査に行ったのかな。……それとも犯人でも追いこんで……」
「ばかな。思想係だといってるじゃないか。……そうだとすれば、ちょっと思いあたることがある。……あいつ、あの朝〈那覇〉で、なにげなく四日前に東京へきたと口をすべらしたろう。……大阪で銀行襲撃があったのは、絲満事件のちょうど五日前だ。……事件が起きるとすぐ足どりをたどって東京へやってきたんだよ。