Classici giapponesi con furigana
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きんぎょはしんでいた
金魚は死んでいた
大下 宇陀児
Leggi 金魚は死んでいた (きんぎょはしんでいた) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.514 caratteri · 22 schermate
私は、癪だから、三匹でせいぜい五千円というランチュウを、三万円だとふつかけて持つて行つたんですが……」
「老人は金魚が好きだつたのかね」
「どうですかね。あんまり好きでもなかつたでしよう。しかし、行つてみると、尺五寸ほどの瀬戸の鉢が、庭の土にいけてあつて、その鉢は、からつぽだけれど、水だけはつてあるし、ぐるりに、白い砂をきれいにまいてあつて、かなり大切にして金魚を飼うつもりだつてことはわかりました。なんでも、生き物というものは、一度もまだ飼つたことがない、この金魚がはじめて飼う生き物だなんていいましてね。私は、これじやいけない。雨水がはいらないようにしたり、日よけも作り、猫の用心で、金網もあつた方がいいつてこと、注意しておいてやつたんですが、どうしました、あの金魚は、まだ元気ですか」
「元気じやないよ。老人といつしよに死んでしまつた。老人が口から吐きだした青酸加里で死んだのさ」
「あんれま、もつてえねえことしましたね。それじや、あの金魚は私が持つて行つてから、まる一日とたたねえうちに、死んでしまつたことになりますね」
「まる一日……というと、金魚をもつて行つたのはいつのことだね」