Classici giapponesi con furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Leggi 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.907 caratteri · 32 schermate
長話は願い下げよ。なんですかい、その、大鍋の泊り客で武州小金井の穀屋の番頭初太郎てえのが、夜中にひょっこり起き上がって、戸惑いでもしたってえのかい。」
勘次も彦兵衛も、にやりと顔を笑わせたが、に組の常吉は、冗談どころではないといったふうに大仰に手を振って、
「なんの、なんの――。」ちょっと声を低めた。「親分、愕きなさんなよ、戸惑いは戸惑いでも、お美野さんが彼の世へ戸惑いをなすった――。」
えっ! とでも驚くかと思いのほか、藤吉の表情は依然として石のようである。大声を揚げたのは勘次だった。
「なにっ? お美野さんが――そ、そいつぁ勘弁ならねえ。彼の世へ戸惑いといやあ自害だろうが、してまた何の理由あって自害なんど――。」
「さ、それがよ、なに、戸惑いとは言ったものの、勘さんの前だが、自害ではねえのだ。」
「なにを言やがる。勘弁ならねえ。あの弁天様のようなお美野さんを手に掛けるやつが、日本じゅうにあるはずはねえんだ。」
とむらい彦が、いつになく馬鹿叮嚀に口を挾んで、
「ま、お美野さんがお故くなりになったとすりゃあ、ちょっくら蔵前へ走らせたでごぜえやしょうな。常磐津の名取りで文字若さんてえ女が、お美野さんの妹さんでね、三好代地に稽古場の看板を上げていなさるのだが――。