Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はちのき

鉢の木

山本 周五郎

Leggi 鉢の木 (はちのき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.534 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

四郎兵衛は眼と眼をくい合せたままにっと笑った、「なにも云わずに御厚志を頂戴しよう」「それで持参しがいがあった、おてつだいをするからお着けなさるがよい」そう云って立ちあがり、鎧櫃を運んで来ながら、「萩尾どの盃のしたくをたのみます」と呼びかけた。……肌着から鎧下まで揃っていた。その一つ一つを着けてゆく四郎兵衛は、頬が赤くなり、眼が輝き、抑えても抑えても微笑が泛んできた。八重雲をひき裂いて天日がさんらんと光りを放ちだしたのだ、神かけて祈り待った時節が来た、よろこびというにはあまりに大きいよろこびが、歓声をあげ足を踏みならして全身をかけめぐる感じだった。「いま拙者がどんな気持でいるか、佐伯どのにはおわかりだろうか……」どうにも抑えきれなくなって、四郎兵衛は泣き笑いに顔を崩しながら云った、「いやおわかりにはなるまい、拙者にも口では云えぬ、たとえるものもない、ただ笑いたい、泣きたい、できることなら思いきり喚いて踊ってみたい、……これでさむらいと生れて来たかいがあった、云えることはそれだけだ、さむらいと生れて来たかいがあった、さむらいと生れて来た