Classici giapponesi con furigana
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はちのき
鉢の木
山本 周五郎
Leggi 鉢の木 (はちのき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.534 caratteri · 28 schermate
六
のだ、壱式どの」又左衛門はひたと、相手の眼を見まもりながら云った、「……おそらく伏見は全滅をまぬかれまい、もはや赦免を待つときではないぞ」四郎兵衛はうむと呻きながら両手でおのれの膝を掴んだ。
六
勘当のゆるしのない理由がはじめてわかった、又左衛門の推測にまつまでもない、御しゅじん元忠が伏見に残ったとすれば、城兵のさいごの一人が討死するまで守りぬくことは必定だ、その決意なればこそ赦免の沙汰がなかったのだ、士を愛することの一倍つよい元忠は、全滅ときまっている合戦にわざわざ勘当の家来まで呼ぶ筈がない、――そうだ、おれはみすてられたのではない、そういう理由があったのだ、さればこそ旧友からの信りもなかったのだ、ああ。
「果し合はあずかりだ」又左衛門が押しかぶせるように云った、「……駆けつけるがよい四郎兵衛どの、失礼だが甲冑は佐伯家重代のものを背負って来た、馬も逸物を曳かせてある、辞儀なしに受けて頂こう」四郎兵衛はくいいるような眼で又左衛門を見た、又左衛門もその眼をかっちりと受け止めた、そのときふたりの心は紙一枚の隙もなく結びつくように思えた、「……かたじけない」