Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぎんのつえ
銀のつえ
小川 未明
Leggi 銀のつえ (ぎんのつえ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3721 caratteri · 8 schermate
あるところに、いつも遊び歩いている男がありました。兄さんや、妹は、いくたび彼に、仕事をはげむようにいったかしれません。けれど、それには耳を傾けず、街のカフェーへいって、外国の酒を飲んだり、紅茶を喫したりして、終日ぼんやりと暮らすことが多かったのでした。
彼は、そこで蓄音機の音楽をきいたり、また、あるときは劇場へオペラを見にいったり、おもしろく暮らしていたのでありました。
ある日のこと、彼は、テーブルの上に、いくつもコップを並べて、いい気持ちに酔ってしまったのです。そして、コップの中にはいった、緑・青・赤、いろいろの酒の色に、ぼんやり見とれていますと、うとうとと居眠りをしたのでした。
もう、いつのまにか、日は、とっぷりと暮れてしまいました。
「ああ、もう帰らなければならない。」と、彼はいって、そのカフェーから外に出たのでした。彼の足は、ふらふらしていました。そして、まだ、耳には、けさしがたまで聞いていた、いい音楽のしらべがついているようでありました。
夜の空は、ぬぐったガラスのように、うるおいを含んでいました。月がまんまるく空に上がって、あたりの建物や、また森影などが、浮き出たように見られたのであります。