Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

平次の叡智は漸く活発に働き始めました。

「親分」

「何んだ、八。大層改まるじゃないか」

妙に堅くなって詰め寄る八五郎を、平次はやんわりと受けて、煙草入を引寄せるのでした。

「親分はそれで宜いんですか」

「何が」

八五郎はすっかり興奮しておりました。少し下がり気味の眼じりが上がって、長んがい顎をグイと引くと、これでもなかなか真剣な顔になります。

「あっしは不承知だ。十手の道はどうなろうと、お静姐さんを見殺しにしちゃ、人間の道が立たねえ」

「――」

「ね、親分、何んとかしてやって下さい。斑組の悪者だって、六人のうち五人までは死んでいるし、盗られた一万二千両の金は、貧乏人や正直者の御用金じゃありませんぜ――尾張様なんざクソでも喰らえ」

「これこれ八」

「そんなものに義理を立てて、あんな良いお内儀さんを殺して済むと思いますか、親分」

八五郎はすっかり夢中になって畳をたたいて詰め寄るのです。自分の口から思わず飛び出した激しい言葉が自分の忿怒をあおって、手のつけようのないほど燃えさかるのでしょう。

「わかったよ、八――お静が聴いたらさぞ喜ぶだろう。いやに人の女房の肩を持ちやがるなんて、焼餅がましいことは言わねえ」