Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

「当屋敷で用意した心祝いの酒肴は、ほんの心ばかりの物であった。酒も肴も後から後からと出るのじゃ。訊けば市ヶ谷の御上屋敷から、一万両を奪い還した祝いに、山澄淡路守様格別の思召しで下されたというので、いや飲んだの飲まないの――」

大橋要人は面目ない顔をするのです。だがこの人物は思いのほか淡白で、自分の非を隠そうともせず、打ち解けた態度で平次に委ねるのは好感が持てました。

威張るよりほかに悪気のない人で、一度挫けるとこんな人は案外気の良い生地が出るのでしょう。

「その酒肴を運んだのはどんな者でございます」

平次は静かに応じました。

「後で調べて見ると、道具箱には一々南小田原町の料亭『清月』の印が入っているのじゃ。早速今朝になって、清月へ行って訊ねると、当蔵屋敷からの注文といったそうで勘定も払っていない」

大橋要人はことごとく苦々しそうですが、八五郎は泥棒に払いをさせる気が面白かったのか、可笑しくてたまらない様子です。

「芸子が参ったということですが、それはこちら様でお呼びになりましたので」

「とんでもない、それも上屋敷から参ったものと思い込んだのじゃ。とんだ美形ぞろいでの、左様五人くらいはおったと思うが――外に十五、六の前髪立ちの少年が一人、岡持や樽を持込んで、お燗をしてくれた若い男が二人」