Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
後ろからのぞくお栄の頬の温もりと、香ばしい息が八五郎の首筋をかすめます。
「まア、何うしたんでしょう。ツイ今しがたまで、此処にあったのが」
お栄もさすがに胆をつぶした様子です。
「八、重い死骸を持出しても、遠くへ行く隙はなかったはずだ。お前は家の外まわりを捜せ――遠くへ行くには及ばないよ、おれはその間に家の中を見る」
「よし来た」
八五郎は行燈に灯を入れて、それを片手に、裏口から飛び出しました。後には平次とお栄の二人。
「物を盗られた様子はないか」
「そんな様子は見えませんが」
戸棚も押入も、部屋の中も、キチンと片付いて、少しも取散らばした風はなかったのです。
「金は?」
「それはわかりません。伯父さんが自分で始末して、私などには手も付けさせないんですから」
「そんな事だろうな。ところでこの家には、お前と伯父さんとたった二人で住んでいるのか」
「いえ、番頭さんも小僧もおりますが、番頭の宇八さんは商売用で芝へ行き、小僧の定吉は、遅い藪入で、本所の親許に泊りに行きました」
「そして、お前は?」
「お隣りへ行って、話し込んでいたんです」
「なんどき時分からお隣りへ行った」
「酉刻半(七時)少し過ぎでした。