Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
よく見ていると、眼鼻立ちはそんなに悪くはなく、若い時分には随分美人といわれた女かもわかりません。生活の悪さから、性格も血液も荒らして、こんな不気味な醜さになったとすれば、一応気の毒な女ともいえるでしょう。
「おや」
首筋には匕首の傷があります。それは半兵衛や宇八や定五郎と同じことですが、お里の場合は血がほとんど流れておらず、その上首筋には、明らかに絞殺した細紐の跡がはっきり残っているのです。
「絞め殺して、死んでから匕首を突っ立てたのですね」
八五郎にもそれくらいのことはわかります。こんな手数な細工――しかもだれにでも一と眼にわかる二重の仕事を、どうしてやらなければならなかったのでしょう。
「磔刑になっていないのも不思議じゃないか。多分斑組の仲間の仕事でないかということを、まわりっくどく呑込ませるためだろう」
平次は裏の裏まで考えております。
「この死骸の二の腕には、賽の目の入墨はないでしょうか」
ガラッ八は、お栄の二の腕の連想から、フトお里の二の腕のことを考えた様子です。
「あるまいよ。これが斑組六人男の首領とは思えない――が念のため見て置こうか」
平次はそういいながら、死骸の左手の腕を捲りました。