Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「どうすればよいのだ、平次」
「よく弔って上げて下さい、――それっきりの事ですよ。ところで」
平次は深々と腕を拱きました。
「親分」
「お前は黙っていろ」
「あっしは変な事を考えたが」
と八五郎。
「なんだ」
平次はガラッ八の方をジッと見ました。
「お嬢さんの隠された場所が判ったような気がするんです」
「俺も判ったような気がする」
「二人で書いてみましょうか」
「面白かろう」
紙にも硯にも及びません。平次は火鉢の灰へ、八五郎は縁の下の柔かい土へ――。
「ひイふのみ」
火鉢と縁の下と、位置を変えてのぞくと、二人とも、
――長持の中――
とこう書いてあったのです。
それっと飛んで行って、お関のいる部屋の隣。嫁の道具を一パイに積んだ下から、長持を引出して蓋を払いました。
「あッ」
中には娘浜路が滅茶滅茶に縛られた上、猿轡まで噛まされて、息も絶え絶えに、半死半生の身を横たえていたのでした。
*
「八、どうして長持の中と判った」
帰り路、朝の清々しい風に吹かれながら、平次は訊きました。
「ただなんとなしに、そんな気がしましたよ」
「心細いなア」
「じゃ親分は」
「長持の蓋の角に生々しい傷があって、穴があいていたことに気が付いたんだ。