Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
平次はツイ開き直りました。それほど兼松の調子が断乎としていたのです。
「寅吉さんを縛った三つ股の親分さんにはお気の毒ですが――」
「…………」
兼松の眼は、チラリと源吉を見やりました。この御用聞が以てのほかの機嫌なことは、そのそっぽを向いた頬のあたりの痙攣でも判ります。
「御存じかも知れませんが、同じ音羽に住んで、お互になんとか人に立てられるだけに、私と寅吉さんは仲が悪うございます。それにつけても、寅吉さんが人殺しの罪を被て、処刑に上るのを見ちゃいられません」
「?」
兼松の一生懸命さが、妙に平次を引入れました。
「あの晩寅吉さんが、お小夜の家を出て来るのを、私は確かにこの眼で見届けました。先刻まで近所へ聞えるほど言い争っていたのが、どう仲直りしたものか、鼻唄でも歌い出したい様子で、ニヤニヤしながら出て来たくらいですから、人なんか殺したんでない事はよく判ります。それに路地へ射して来る灯でよく見ましたが、寅吉さんは脇差も出刃庖丁も持っちゃいませんでした。後ろから灯を差出して、寅吉さんの足許を見せてやっていたのは、お小夜だったかも判りません。そのころ下女のお米は風呂へ行っていたそうですから」