Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「お嬢様には、お武家方から養子が来ることに話が纏まっております。が、金の隠した場所が解らないと、その話の進めようがなくなります」
「それはお染も承知か」
「ヘエ――」
仙之助の一生懸命さには、何か仔細がありそうですが、それは平次の慧眼にも容易に解りません。
最後に呼出されたのは娘のお染でした。
「お前はお染さんかい」
物置の前、重三郎の死骸の側へ呼出すにしては、これはあまりに痛々しい姿でした。せいぜい十八九にしか見えない若々しさも、生得の麗質が年齢を刻む由もないほど玲瓏としているためでしょう。「美しい」といったような、通り一ぺんの言葉で、これは形容される娘ではありません。人によってはこの病的にさえ見えるなよやかさを、醜いと見るかもしれませんが、人間の血肉を盛った存在で、こんな不思議な魅力を持ったのを、平次はまだ見たこともないような気がするのです。
「お嬢さん、私の訊くことに、包み隠さず応えて下さいよ」
「ハイ」
お染は素直にうなずきました。そう言わなくたってこの娘に嘘も掛引もあろうとは、平次も最初から思ってもみなかったのでした。
「亡くなった父さんが、どこへ金を隠したか、お前さんなら見当くらいは付くはずだと思うが――」