Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「何? 清次郎は妹を親類に預けた? そいつはいつのことだ」
「けさ早く知合いの者と一緒に発ったそうですよ」
「昨日までその素振りもなかったじゃないか。第一、兄妹たった二人の店で、妹を田舎へやったら後はどうなるんだ」
「まるで叱られているようなものだ。あっしのせいじゃありませんよ。親分」
ガラッ八はニヤリニヤリと顎を撫でております。
「あの穴の中から出た紙片は、金蔵が書いたんでなきゃ、清次郎が書いたんだぜ。金蔵は騙されて殺されているんだ」
「あの紙片を、清次郎が書いたというとどんなことになるでしょう」
「菱屋の主人市兵衛が、没落の前に大判小判を隠し、大福帳のどこかにその宝の隠し場所を書き遺しておいた――と思わせ、欲の深い金蔵をおびき出して殺したことになるのさ」
「ヘエ――」
「紙片に書いた文句の、大黒よりというのは、大黒柱のあった場所からということだ、――大黒柱から十六間、井戸から二十八間のところに、小判千六百枚、大判二百三十枚隠してある――と判じさせたのだ」
「ヘエ――」
「妹を急に田舎へやったのは、あの娘と口を合せて、八月十七日の晩に兄の清次郎は、一と足も外へ出ないと言わせたが、どうも、その嘘をつき通せそうもなくなった。