Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「…………」
「娘の部屋から奉公人たちの部屋の方へ行く途中の暖簾に、少しばかり血がついておりました」
「返り血を浴びた袷は、それからまた外へ出直して洗ったというのだね」
「十三丁目の親分さんはそう言いました。だが――」
六兵衛の本能には、なんとなく兼松を疑いきれないものがあります。先刻平次から聴かされた、お狩場の四郎の執念が大きくクローズアップされて、のしかかって来るような気持がするせいでしょう。
「兼松は奉公に来てから何年になるんだ」
「子飼いでございます。先代の桜屋の暖簾を買って、私がこの商売を始めてからもう十二年になりますが、その頃から店におります」
「人柄は?」
「怒りっぽいところがありますが、正直者で」
「谷五郎は?」
「私の遠縁になります。兼松より三つ年上で、去年の春田舎から呼寄せました。気風は、素直な、まことに良い男です」
谷五郎を娘の聟に選んだ六兵衛の気持はよく解ります。
「他にはどんな奉公人がいるんだ」
「小僧が二人、どっちも十四で、これは勘定になりません。文太郎に定吉と申します」
「それから?」
「下女が二人、一人は房州の者でお照、十九になります。一人は相模者でお北、これは三十で、皆んな親元の判ったものばかりでございます」