Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うし

鎧櫃の血

岡本 綺堂

Leggi 鎧櫃の血 (うし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.702 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

」

「これは案外の騒動になりましたね。」

「友蔵は酔っているから、勝手にしやあがれと寝てしまった。そのあとへ幸吉が帰って来たが、これも酔っているのでぶっ倒れてしまった。その夜なかに叩き起されて、お常は山谷の由兵衛の家に死んでいるという知らせがあったので、兄弟もおどろいた。

酒の酔いもすっかり醒めて、二人は早々に山谷へ飛んで行くと、お常は手拭で絞め殺されていた。由兵衛のすがたは見えない。

家内の取散らしてあるのを見ると、お常を殺した上で逃亡したらしい。

由兵衛がどうしてお常を殺したか、その事情はよく判らないが、かの十両を返せと言い、その争いから起ったことは容易に想像される。友蔵が嫉妬心をいだいていると同様に、由兵衛も嫉妬心をいだいている。むしろ友蔵以上の強い嫉妬心をいだいていたであろうから、それが一度に爆発して俄にお常を殺す気になったらしい。お常の死骸は検視の上で友蔵に引渡された。

虎の子が飛んでもない悲劇を生み出すことになったが、それでも其の秘密は世間に洩れなかったと見えて、友蔵の小屋は相変らず繁昌していると、ここにまた一つの事件が起った。今度は大事件だ。