Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

はせがわくんとよ

長谷川君と余

夏目 漱石

Leggi 長谷川君と余 (はせがわくんとよ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4616 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

したがってこの談話には何らの興味もなかった。それで、あんまり長いから、談話の途中で失敬して家へ帰ってしまった。これが余の長谷川君と初対面の時の感想である。

それから、幾日か立って、用が出来て社へ行った。汚い階子段を上がって、編輯局の戸を開けて這入ると、北側の窓際に寄せて据えた洋机を囲んで、四五人話しをしているものがある。ほかの人の顔は、戸を開けるや否やすぐ分ったが、たった一人余に背中を向けて椅子に腰をおろして、鼠色の背広を着て、長い胴を椅子の背から食み出さしていたものは誰だか見当がつかなかった。横へ回って見ると、それが長谷川君であった。その時余は長谷川君に向って、「ちょっと御訪ねをしようと思うんだが」と言い出して、まだ句を切らないうちに、君は「いや低気圧のある間は来客謝絶だ」と云った。低気圧とは何の事だか、君の平生を知らない余には不得要領であったけれど、来客謝絶の四字の方が重く響いたので、聞き返しもしなかった。ただ好い加減に頭の悪い事を低気圧と洒落ているんだろうぐらいに解釈していたが、後から聞けば実際の低気圧の事で、いやしくも低気圧の去らないうちは、君の頭は始終懊悩を離れないんだという事が分った。