Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
「あれは書画には明るい男なんですか」
「なに書画どころか、まるで何も分らない奴です。あの店の様子を見ても分るじゃありませんか。骨董らしいものは一つも並んでいやしない。もとが紙屑屋から出世してあれだけになったんですからね」
坂井は道具屋の素性をよく知っていた。出入の八百屋の阿爺の話によると、坂井の家は旧幕の頃何とかの守と名乗ったもので、この界隈では一番古い門閥家なのだそうである。瓦解の際、駿府へ引き上げなかったんだとか、あるいは引き上げてまた出て来たんだとか云う事も耳にしたようであるが、それは判然宗助の頭に残っていなかった。
「小さい内から悪戯ものでね。あいつが餓鬼大将になってよく喧嘩をしに行った事がありますよ」と坂井は御互の子供の時の事まで一口洩らした。それがまたどうして崋山の贋物を売り込もうと巧んだのかと聞くと、坂井は笑って、こう説明した。――
「なに親父の代から贔屓にしてやってるものですから、時々何だ蚊だって持って来るんです。ところが眼も利かない癖に、ただ慾ばりたがってね、まことに取扱い悪い代物です。それについこの間抱一の屏風を買って貰って、味を占めたんでね」