Classici giapponesi con furigana
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もん
門
Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate
鉄瓶は傍へ卸したなり、湯は生温るく冷めてしまった。盆の上に焼き余りの餅が三切か四片載せてあった。網の下から小皿に残った醤油の色が見えた。
小六は席を立って、
「面白かったですか」と聞いた。夫婦は十分ほど身体を炬燵で暖めた上すぐ床へ入った。
翌日になっても宗助の心に落ちつきが来なかった事は、ほぼ前の日と同じであった。役所が退けて、例の通り電車へ乗ったが、今夜自分と前後して、安井が坂井の家へ客に来ると云う事を想像すると、どうしても、わざわざその人と接近するために、こんな速力で、家へ帰って行くのが不合理に思われた。同時に安井はその後どんなに変化したろうと思うと、よそから一目彼の様子が眺めたくもあった。
坂井が一昨日の晩、自分の弟を評して、一口に「冒険者」と云った、その音が今宗助の耳に高く響き渡った。宗助はこの一語の中に、あらゆる自暴と自棄と、不平と憎悪と、乱倫と悖徳と、盲断と決行とを想像して、これらの一角に触れなければならないほどの坂井の弟と、それと利害を共にすべく満洲からいっしょに出て来た安井が、いかなる程度の人物になったかを、頭の中で描いて見た。描かれた画は無論冒険者の字面の許す範囲内で、もっとも強い色彩を帯びたものであった。