Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

もん

門

夏目 漱石

Leggi 門 (もん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.830 caratteri · 278 schermate

Aozora Bunko

はいと云って立ったが、その声が泣いた後の声のようであった。

その晩夫婦は火鉢に掛けた鉄瓶を、双方から手で掩うようにして差し向った。

「どうですな世の中は」と宗助が例にない浮いた調子を出した。御米の頭の中には、夫婦にならない前の、宗助と自分の姿が奇麗に浮んだ。

「ちっと、面白くしようじゃないか。この頃はいかにも不景気だよ」と宗助がまた云った。二人はそれから今度の日曜にはいっしょにどこへ行こうか、ここへ行こうかと、しばらくそればかり話し合っていた。それから二人の春着の事が題目になった。宗助の同僚の高木とか云う男が、細君に小袖とかを強請られた時、おれは細君の虚栄心を満足させるために稼いでるんじゃないと云って跳ねつけたら、細君がそりゃ非道い、実際寒くなっても着て出るものがないんだと弁解するので、寒ければやむを得ない、夜具を着るとか、毛布を被るとかして、当分我慢しろと云った話を、宗助はおかしく繰り返して御米を笑わした。御米は夫のこの様子を見て、昔がまた眼の前に戻ったような気がした。

「高木の細君は夜具でも構わないが、おれは一つ新らしい外套を拵えたいな。この間歯医者へ行ったら、植木屋が薦で盆栽の松の根を包んでいたので、つくづくそう思った」