Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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がん

雁

森 鴎外

Leggi 雁 (がん) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.950 caratteri · 147 schermate

Aozora Bunko

おおかたまだこっちの方角を見て立っているだろう。あの左伝の、目迎えて而してこれを送ると云う文句だねえ。あれをあべこべに女の方で遣っているのだ」

「その話はもうよしてくれ給え。君にだけは顛末を打ち明けて話してあるのだから、この上僕をいじめなくても好いじゃないか」

こう云っているうちに、池の縁に出たので、二人共ちょいと足を停めた。

「あっちを廻ろうか」と、岡田が池の北の方を指ざした。

「うん」と云って、僕は左へ池に沿うて曲った。そして十歩ばかりも歩いた時、僕は左手に並んでいる二階造の家を見て、「ここが桜痴先生と末造君との第宅だ」と独語のように云った。

「妙な対照のようだが、桜痴居士も余り廉潔じゃないと云うじゃないか」と、岡田が云った。

僕は別に思慮もなく、弁駁らしい事を言った。「そりゃあ政治家になると、どんなにしていたって、難癖を附けられるさ」恐らくは福地さんと末造との距離を、なるたけ大きく考えたかったのであろう。

福地の邸の板塀のはずれから、北へ二三軒目の小家に、ついこの頃「川魚」と云う看板を掛けたのがある。僕はそれを見て云った。「この看板を見ると、なんだか不忍の池の肴を食わせそうに見えるなあ」