Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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がん

雁

森 鴎外

Leggi 雁 (がん) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 73.950 caratteri · 147 schermate

Aozora Bunko

「廃せ」と云って、末造はその手を振り放して、畳の上に散った烟草の燃えさしを揉み消した。

お上さんはしゃくり上げながら、又末造の手にしがみ附いた。「どこにだって、あなたのような人があるでしょうか。いくらお金が出来たって、自分ばかり檀那顔をして、女房には着物一つ拵えてはくれずに、子供の世話をさせて置いて、好い気になって妾狂いをするなんて」

「廃せと云えば」末造は再び女房の手を振り放した。「子供が目を覚すじゃないか。それに女中部屋にも聞える」翳めた声に力を入れて云ったのである。

末の子が寝返りをして、何か夢中で言ったので、お上さんも覚えず声を低うして、「一体わたしどうすれば好いのでしょう」と云って、今度は末造の胸の所に顔を押し附けて、しくしく泣いている。

「どうするにも及ばないのだ。お前が人が好いもんだから、人に焚き附けられたのだ。妾だの、囲物だのって、誰がそんな事を言ったのだい」こう云いながら、末造はこわれた丸髷のぶるぶる震えているのを見て、醜い女はなぜ似合わない丸髷を結いたがるものだろうと、気楽な問題を考えた。そして丸髷の震動が次第に細かく刻むようになると同時に、どの子供にも十分の食料を供給した、大きい乳房が、懐炉を抱いたように水落の辺に押し附けられるのを末造は感じながら、「誰が言ったのだ」