Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
がちゃっと開いて、当然部屋へ招じられるつもりだったのに、進君はドアから顔だけを出し、
「なんですか。」
「ね、あんたさっき、一キロ分百円っていったわね。」
「はあ。」
「あと、六キロで、五升ね。」
「はあ。」
「それですむ勘定?」
「そうじゃ、ないですか。」
「わたしも、そう思ったのよ、だけど。」
音枝は思わず、うふっと笑い、
「配給の方の立て替えは、どうするの。」
「あっ、いけねえ。」
進君は本気な声を出した。音枝は思いっきり笑い出した、
「ね、そうでしょ。配給米の代金と二重払いになるでしょ。いくらなんでもね、これはだまっていられないでしょ。」
進君はまっかな顔になり、
「すみません。ぼく、気がつかなかった。あんまり、ぼろすぎると思ったんだ。」
そのとき、進君の部屋の中から、キュウというような女の押えた笑声がした。音枝ははっとし、
「あら、お客さま。」
「はあ。」
なーんだ、それでやみ米やになったのかと思いながら引っかえした音枝は、日記帳の七百五十円なり――の次へ書きたした。
――ただし一キロだけ入荷。(進君はどうもおかしい)
一金百円なり(冬太郎失敗の巻)
こう書きつけて音枝は思わずくすっと笑う。