Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

そのときの冬太郎の、何ともいえぬ複雑な表情を思い出したのである。冬太郎のいっている学校の近くには有名な福神づけやがある。音枝は時々それを買ってきてもらった。きょうもそれで、しかも近所の分まで一しょにたのみ、そのことから思いついて、カレー・ライスをつくってまっているところへ、くつ音高くかけこんできた冬太郎は、ビニールの袋入りの福神づけを出しながら、

「ね、そこでかわいそうな人にあったんだよ。母親が危篤でね、田舎へ帰る途中なのに、切符ぐるみお金を落したんだって、必ずかえすから旅費をかしてくれっていうんだよ――」

そこまでいうと、文吉はみなまで聞かずに、

「かしたのか?」

と、かみつくようにいった。

「かさないさ。そ、そんな金、ぼく、もってないもん。」

「ならいいよ。そいつは詐欺なんだからね。気をつけろよ。」

「へえ、ほんとう。」

「ほんとさ。昔っからそういうのがいるんだ。」

ちらっと安江をみると、安江は皮肉な目でにやりと笑い、しかし冬太郎や音枝にむかって、

「そんな手はもう古いんだよ。昔ね、菊池寛の小説にも出てきたよ。菊池寛なんかも、その手にのったんだね。お前もよっぽどお人よしか金もちに見られたんだよ。