Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
」
自分で聞こうとしなかったことをたなにあげて、皮肉をいった。兵六さんはあわてて、
「いや、なにね、夏樹ちゃんたちの前じゃあ、いかにわしでも、いいにくくてね。遠慮しとるんですがね。」
「そう、じゃあまあ、あとで聞かしてもらいましょう。とにかく、御飯にしてくださいよ。」
「そうですか。わるいですな。」
夏樹がすぐ、
「ぼく、兵六さんと一しょに食べよっと。」
食卓は五目ずしだ。音枝と浜子のきのうからの計画であった。色どりよく大ざらに盛ったのをみると、兵六さんは目じりを下げて、無邪気な顔をした。刺身にほうれん草のごまよごしと、豆腐のつゆが出ると、ますます目を細めて、
「こりゃあ、ごっつぉですな。一本つけてもらいたいくらいなもんじゃ。いや、なに、じょうだんで――」
そういわれる前に音枝は一本つけていたのではじはかかなかった。安江が酌をすると兵六さんは背をまるめて小さくなり、左手で杯をうけた。そしてぐっとあおり、しばらくはその酒を口中に含んだまま舌の根にしみ渡らせるようにして、やがておもむろにのみこんだ。そして感きわまった声で、
「びろく、びろく。」
安江は思わず笑った。