Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate

Aozora Bunko

意地悪な気もちが少し解きほぐされてゆくような気がした。しかし一本の酒を小半時もかかって楽しんでいるのを見ると、安江はまた少しずついらいらしだした。兵六さんがわざと時をかせいでいるような気がしてきたからだ。それをいいわけするように、彼はしきりと文吉のことをもち出す。

「久しぶりに、一ぺんあってゆきたいと思ってね。なんしろ、文吉つぁんには、たしか戦争中にあったきりですよ、ええ、戦争中ですよ。まだゲートルまいとったもの。ゲートルをね。なつかしいよ。」

こうなると安江はもうサジを投げるより仕方がない。一ときも早く夫に帰ってきてもらいたいと思う。それが口に出て、

「なにしてんでしょう。いつまでも……」

すると音枝は音枝でそれを浜子のことだと思い、

「ちょっと、そのへんみてきましょうか。」

「ああ、浜ちゃんね。まったく、みんな、なんだと思ってんだろう――」

文吉の帰りはひどくおそかった。おそいと必ずきげんがよい。ガガー ガガー と門柱のブザーが二度鳴ると酔っぱらっている証拠だった。そんなときには何かしらきげんとりを買ってきて、「はいおみやげ」と出迎えた者の顔の前へつき出す。