Classici giapponesi con furigana
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ゆきおんな
雪女
田中 貢太郎
Leggi 雪女 (ゆきおんな) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2202 caratteri · 5 schermate
多摩川縁になった調布の在に、巳之吉という若い木樵がいた。その巳之吉は、毎日木樵頭の茂作に伴れられて、多摩川の渡船を渡り、二里ばかり離れた森へ仕事に通っていた。
ある冬の日のことだった。平生のように二人で森の中へ往って仕事をしていると、俄に雪が降りだして、それが大吹雪になった。二人はしかたなしに仕事を止めて帰って来たが、渡頭へ来てみると、渡船はもう止まって、船は向う岸へつないであった。
二人はどうにもならないので、河原の船頭小屋へ入った。船頭小屋には火もなく、二畳ほどの板敷があるばかりであった。
二人はその板敷の上へ蓑を着て横になったが、昼間の疲れがあるのですぐ眠ってしまった。
そのうち巳之吉は、寒いので目をさました。小屋の戸が開け放しになっていて雪がさかんに舞いこんでいた。
「茂作さんが外へ出たのか」
巳之吉は茂作の方を見た。其処には真白い衣服の女がいて、それが茂作の上へのしかかって、その顔へ呼吸を吐きかけていた。巳之吉は驚いて声を立てようとした。と、女は茂作を棄てて巳之吉の上へ来た。それは白い美しい顔であったが、眼が電のように鋭かった。
巳之吉は衝き飛ばして逃げようとしたが、体も動かなければ声も出なかった。