Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんさいにっし

震災日誌

喜田 貞吉

Leggi 震災日誌 (しんさいにっし) di 喜田 貞吉 (きたさだきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.617 caratteri · 40 schermate

Aozora Bunko

●待ち兼ねた横浜の消息

せっかく非常払戻しが行われてもそれを引き出すことが出来ぬ。あるいはその通帳も貯金局の原簿とともに焼けてしまって、永久引き出す道がなくなるのではないかとまで心配になる。ままよ、いよいよ行き詰ったならまた、その時のことだ。

午後に久堅町の甥がやって来た。日本橋の勤め先が焼けたばかりではなく、押上工場が全焼したので、昨夜来炊き出しその他のことに没頭していたのだという。まずもって無事であったので安心した。川崎工場も大破したらしいので、これから行かねばならぬが交通機関がない、自転車を貸して貰いたいという。二つあるうちの一つを用立てる。

●待ち兼ねた横浜の消息

九月三日(月)震災第三日。横浜から湘南一帯の地は東京よりも地震が強く、家屋の倒壊はなはだしくして、畏くも宮様方の御不祥事があったとか、松方〔(正義)〕老侯も薨去されたとか(追記。これは後に誤聞であったことが判った)、横浜市庁が崩壊して市長以下圧死が多いとか、裁判所が崩壊して公判中の判検事以下弁護士傍聴人までことごとく下敷となったとか、さらに引きつづき起った火事で横浜・鎌倉・小田原等は全滅したとか、平塚・厚木方面が最もはなはだしいとか、箱根や熱海は跡方もなくなったとか、恐ろしい報告が頻々として昨日来の新聞号外に見えている。