Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかにっき

青べか日記

山本 周五郎

Leggi 青べか日記 (あおべかにっき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.334 caratteri · 76 schermate

Aozora Bunko

推敲十枚した。今日は終日暴風だった。夜に入ってからは激しい驟雨がそれに加わった。十時頃高梨が訪ねて来た。電燈が消えて浦安は暴風雨の下に闇である。予は蝋燭の明りで書いていた。もう寝よう。高梨の妻君の病気が軽くて済むように。まだひどい風だ。今は午前一時だ。(二六)

今日は推敲二十五枚した。昼間海へ出て行って貝を拾った。何の気もつかず掘ると、手に従って赤貝や潮吹や馬鹿貝や蛤がぞくぞく取れるので、大いに悦に入って漁っていると、そこへ俄然豆腐屋の喇叭のようなものを吹き立てて、偉大なる壮漢が現われた。予の場所より一丁も沖の海中で「ころがし」と云う一種の機械で小魚を漁っていた男達がいた。件の壮漢は例の豆腐屋の喇叭の如き物を吹き立てては「野郎そんな所でやってると舟で行ってぶったくって呉れるぞお、――外へ出ろ、西へ行け」と蛮声を張上げて呶鳴りつけている。予も些か辟易したから謹んで傍へ行って、「此処で貝を拾っても宜いか」と訊ねた。壮漢は逞しい※ら顔をはたと予に向けて「どんな貝を取っているんだ」と居丈高に呶鳴る。「色色な貝だ」と云ったら、「見せろ」とばかり、予の収穫場へやって来て、赤貝や潮吹を見せるとむずと引掴んでそこら一面に解放し始めた。