Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
役人は時々様子を見に来させてくれといいおいて帰って行った。
「どうです。こういう天狗ならいつでも来てもらいたいでしょう。」と彼は元気よく伯母にいった。
「大黒さんが来たようにうれしいでしょう。」
「ほんにあたしはもうこんなうれしい事はないよ。いよいよお前にも運が向いて来たのだね。」伯母は袖で目をふきながらいった。
「はは、ほんとうにそうですよ。」
裕佐はこういったが、なんだか胸がくすぐったいような気がした。「さア、この金でおれはあいつを身うけすることができるというもんだ。一石二鳥というやつだ。もしそれができることなら!」彼はこう考えていた。そして晴ればれしていた彼の顔はにわかに曇って来た。
しかしその時伯母が彼の顔をのぞきながらいった。
「だけど、お金はとれても惜しいもんじゃね。そのお前が丹精して造ったものが人の足に踏まれるんじゃと思うとな。」
「ふむ。心にもないことを、人の気を察したつもりで。」と裕佐は苦々しく思った。「もし察したつもりでいうならば、それを踏むことをしいられ、踏まねば殺される切支丹の方のことを思うがいい。」
しかしそう思った時、裕佐はさらにある恐ろしい不安にドシンと胸を打たれたのであった。