Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
」
裕佐はこの切支丹とのひそひそ話をだれかに見られて疑われはしないかと、つい何度もあたりを見回しては心にはじるのであった。それゆえ彼は石段の上り口に突っ立てられている禁制の高札を指してわざとこうきいた。
「平気ですよ。もう慣れていますから。」
と青年はほほえんで答えた。そして彼の意を察したものか、「しかしおそくなりましたね。僕はもう帰らなくってはなりませんが。」
こういって彼はつと立ち上がると改めて注意深く周囲を見回した。
「実は先刻あなたをお招きしてみたのは、今夜は少し特別なわけがあるからなんです。あなたにも一度見せたい人がいるのです。」
「僕に見せたい人ですって。」
「ええ。ある長老です。八年ぶりで天草から脱走して来られたんです。それは立派な人ですよ。」
「もしかしたら行くかもしれませんが。――いつ、どこでですか。」
青年は彼の耳にあることをささやき、そして去った。
「だれが行くものか。」裕佐はその後ろ姿を見送りながら暗い心につぶやいた。彼は青年の自分に対する熱い厚意と同情に感じないではいられなかった。吉三郎はたしかに彼の失恋に同情して、彼が自暴自棄に陥ることをおそれ、しいて彼に希望を持たせようとして、彼としては珍しくいろいろな「慰め言」