Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
かと思うと張り子のような虎が檻いっぱいに突っ立っていかめしくにらんでいるその檻の前には、「おらんだ人」と肩書きのある紅毛碧眼の異国人が蝙蝠傘をさした日本の遊女と腕を組んで、悠長にそれを見物している。ステッキをついて猩々のように髯をはやしたばかに鼻の高い「おろしゃ人」が虎よりは見物人の方を見ながらのどかにパイプをふかしている。大小をさしたちょんまげの侍のわきには日本の子供とシナの子供とが遊んでいる。
「ふうむ。――」裕佐は思わずその絵のユーモアにほほえまされた。「なるほどこりゃおもしろい。」
「近来の傑作じゃろうがな。ヘッヘッヘッ。」
むしろ好んで皮肉をてらうようなそのゆがんだ口もとに深いしわを寄せながら、にやにやとほこりがに裕佐の顔を見ていた孫四郎はこういって高く笑い出した。
「傑作ですね。版にしたらまたひとしおおもしろいでしょう。」
その笑い声の下品さにいや気をもよおしながらも裕佐はこうほめざるを得なかった。
「あの虎はあなたがかくとおもしろかろうと僕も思っていたんです。」
「へ、へ。なかなか見のがしゃせぬよ。」
と孫四郎はまた雁首に煙草をつめながら
「往来にさらしてある見世物に「大入り」