Classici giapponesi con furigana
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あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま
青髯二百八十三人の妻
久生 十蘭
Leggi 青髯二百八十三人の妻 (あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.736 caratteri · 28 schermate
「昨日で調査が終りました。実は、内秘してきた事実が相当あるので、公判になったら、全世界の人間がえらいショックを起すでしょう。ところで、手帳にあるだけが全部なのではない。手つかずの分が、まだ百八十九人もあります。こういう事実を隠秘しておくわけにはいかないから、はっきりと申しあげるのですが、百八十九人のほうも、いっしょにやってしまいますか、どうしましょう」
「どうしましょう、というのは」
「やれとおっしゃるなら、やりますが、私としては、手帳の十人だけに限定するほうがいいのではないかと思うのです」
「どういう理由で?」
「失礼ですが、あなたは十人では足りないというような意見をもっていられるのでしょうか。私には想像できるのですが、あとの百八十九人の関係を調べあげた結果はどういう始末になるか、それこそ、眼もあてられないようなことになるでしょう。人間性に絶望したくなかったら、ほどほどのところでとめておくほうがいいのだと私は思いますが、いかがでしょう」
「私が意見を述べてみたところで、どうにもなるまいね。上級裁判所の検事達は、どういう考えかたをするか、それが問題だ」
「十字の印を犯行の記号だと推理したのは、私の頭のなかの出来事なのですが、そういう考えが浮ばない前の状態に捻じもどせば、それですむことでないかと思います」