Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おんぱのさつじん

音波の殺人

野村 胡堂

Leggi 音波の殺人 (おんぱのさつじん) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.399 caratteri · 30 schermate

Aozora Bunko

茶卓を挟んで腰をおろした、主人の長島博士も変って居ります。この薄寒い真夜中に、白いメリヤスらしいシャツ一枚、山羊髭の生えたミイラのような黒い顔と、こればかりは底の知れない、深い眼を此方へ向けて、催眠術使のように、ジッと千種十次郎の顔を見るのです。

「この器械は? 先生」

あまりの変った情景に押されるともなく、千種十次郎はツイこんな無駄口を訊くのでした。

「音響学の方から割出した、大変な器械だよ」

「何をするんです」

「君、テレミンというのを知ってるだろう、日本へも来たことがある。電気――二つの高周波振動電流を重ねて、思うままの音を出させる楽器だ、この原理を応用した電気振動にする楽器は、過去十年間に世界で二三十種発明されたよ、テレミン、ディナフォン、マルトウノ、ラジオフォネット、オンディオム、――皆同じようなものだ」

「あの、先生」

千種はこの講義を止めようとしましたが、学者らしい熱心と、気違い染みた調子で説いて行く、長島博士の雄弁の腰を折りようがありません。痩せて黒ずんだ博士の顔には、少し病的に見える興奮が燃えて、時間も相手も構わず饒舌り続けます。

「僕の発明したのは、この機械自体が一つの大管弦楽団の代りになるのだ、ほんの簡単な操作で、ベートーヴェンの大シンフォニーでも、バッハの大ミサでも何んでも聴かれるのだよ、