Classici giapponesi con furigana
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あたまをはなれたぼうし
頭をはなれた帽子
小川 未明
Leggi 頭をはなれた帽子 (あたまをはなれたぼうし) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2178 caratteri · 5 schermate
三郎は、往来で、犬と遊んでいるうちに、ふいに、自分のかぶっていた帽子をとって、これを犬の頭にかぶせました。
ポチは、目が見えなくなったので、びっくりして、あとずさりをしました。それに、坊ちゃんの大事な帽子をよごしたり、いためたりしては、わるいと思ったので、遠慮するように見えたのであります。
「ポチ、帽子をかぶって、歩くんだよ。」と、三郎は、いいました。
「私は、帽子はいりません。」と、答えるように、ポチは、尾をぴちぴちと振って、帽子を頭の上から落としました。
三郎は、いやがるポチの後を追いかけて、こんどは、無理に帽子を頭からかぶせて、
「おまえに、この帽子をやるよ。」といいました。
すると、こんどは、ポチは、喜んで、もうだれにも遠慮もないと思ったごとく、帽子をくわえて、飛び上がりながら、駆け出しました。
「おまち、ポチ、おまち。」といって、三郎はその後を追いましたけれど、ポチは、さっさと、帽子をくわえてどこへかいってしまいました。
三郎は、後悔しましたけれど、しかたがありません。ポチは坊ちゃんから、帽子をもらって、うれしくて、身の置きどころがないように、方々へ帽子をくわえて駆けまわっていました。