Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.061 caratteri · 22 schermate
「……それにしても、手洗鉢にうつるお天道さまのあかりを種につかい、節穴に嵌めこんだ種板で欄間に大蛇をうつして見せようなんてえのは、そうとう悪達者なやつ。……手洗鉢の水にうつった陽の光が、折れ曲って節穴を通り、座敷の欄間に照りかえしているのを見て、それから思いついたことなのでしょうが、手洗鉢の水に種があろうなどとは誰も気がつかねえ。……消そうと思えば、手洗鉢の蓋をしめるだけのこと。……出そうと消そうと心のまま。なるほど、これじゃア、変幻奇妙……。八王子へ出かけて行って、作平が、もと玉川一座の種板絵描きだったということをさぐり出して来なかったら、とてもこの謎々はとけなかったかも知れません。……それにしても、阿古十郎さん、欄間の光のみなもとは、手洗鉢の水にあたる陽の光だということが、どうしてあのとき、おわかりになりました」
「だって、そうじゃないか、おれが不浄へ行って帰って来るまでのあいだ、おれはたったひとつだけのことしかしていない。……つまり、手洗鉢の蓋を取って手を洗っただけ。……ところが、今までなかった光が欄間へうつる。……すると、欄間に光がうつったのは、おれが手洗鉢の蓋をとったためだと思うほかはない。