Classici giapponesi con furigana
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ガドルフのゆり
風の又三郎
Leggi 風の又三郎 (ガドルフのゆり) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.150 caratteri · 48 schermate
そこで諒安は霧にそのかすかな笑いを投げました。そこで霧はさっと明るくなりました。
そして諒安はとうとう一つの平らな枯草の頂上に立ちました。
そこは少し黄金いろでほっとあたたかなような気がしました。
諒安は自分のからだから少しの汗の匂いが細い糸のようになって霧の中へ騰って行くのを思いました。その汗という考から一疋の立派な黒い馬がひらっと躍り出して霧の中へ消えて行きました。
霧が俄かにゆれました。そして諒安はそらいっぱいにきんきん光って漂う琥珀の分子のようなものを見ました。それはさっと琥珀から黄金に変りまた新鮮な緑に遷ってまるで雨よりも滋く降って来るのでした。
いつか諒安の影がうすくかれ草の上に落ちていました。一きれのいいかおりがきらっと光って霧とその琥珀との浮遊の中を過ぎて行きました。
と思うと俄かにぱっとあたりが黄金に変りました。
霧が融けたのでした。太陽は磨きたての藍銅鉱のそらに液体のようにゆらめいてかかり融けのこりの霧はまぶしく蝋のように谷のあちこちに澱みます。
(ああこんなけわしいひどいところを私は渡って来たのだな。けれども何というこの立派さだろう。