Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
鬼の面 ――銭形平次傑作選3
野村 胡堂
Leggi 鬼の面 ――銭形平次傑作選3 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.312 caratteri · 57 schermate
尤も、住んでいる筈の当人、平左衛門の義弟伯次は、花見船なんか馬鹿馬鹿しいと言い出して、諏訪明神裏の寮へ行って、近所の小川でタナゴか何んかを釣って留守。
小僧の伊佐松というのが一人、平次の前に引出されてオドオドしておりました。
「小僧さんか。――お前が旦那と二人で留守をして居たんだね。少しも怖がることはないよ。後先のことを、出来るだけ詳しく話してくれ」
平次に訊かれて、伊佐松はボツボツ話しました。年は十六、もう中僧と言って宜いほどの柄だが、身体の方に発育を奪われてしまって、智恵の方の廻りは、あまりよく無さそうです。一家総出の花見に、主人と二人留守をさせられるだけのことはあるでしょう。
「皆んな巳刻半(十一時)には出かけましたよ。残ったのは旦那とおいらだけで、旦那の弟御の伯次さんは、花見なんか馬鹿馬鹿しいから、竹屋の渡しで舟から降ろしてもらい、寺島の寮へ行って、寮の近所の小川で釣でもするとか言っていました」
「皆んなが、たしかに船に乗ったのを、お前は見届けたことだろうな」
「見ましたよ、船が桟橋を離れる前から、三味線太鼓で、それはもう、大変な騒ぎでした」
「よくお前は黙って留守番をしたことだな」