Classici giapponesi con furigana
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きぶつどうじけん
鬼仏洞事件
海野 十三
Leggi 鬼仏洞事件 (きぶつどうじけん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.468 caratteri · 30 schermate
これは自然な人死ではなく、たしかにこれは企まれたる殺人事件が始まるのにちがいないと、風間三千子は思ったのであった。
一行が、この部屋に入り、人形の方に気をとられている間に、三千子は、入口をするりと抜け、その一つ手前の隣室、つまり第三十八号室へ姿を隠したのだった。そして入口の蔭から、第三十九号室の有様を、瞬きもせず、注視していた。
「これは、水牛仏が、桃盗人を叩き斬ったところですよ。はははは」
案内役は、とってつけたように笑う。
「水牛仏はこの人形だろうが、桃盗人が見えないじゃないか」
と、一行の中の、布袋のように腹をつきだした中国人がいった。
「や、こいつは一本参った。この鬼仏洞のいいつたえによると、たしかにこの水牛仏が、青竜刀をふるって、桃盗人の細首をちょん斬ったことになっとるのじゃが、どういうわけか、始めから桃盗人の人形が見当らんのじゃ」
「それは、どういうわけじゃ」
「さあ、どういうわけかしらんが、無いものは無いのじゃ」
「こういうわけとちがうか。この鬼仏洞の中には、何千体か何万体かしらんが、ずいぶん人形の数が多いが、桃盗人の人形は、どこかその中に紛れこんでいるのと違うか」