Classici giapponesi con furigana
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きぶつどうじけん
鬼仏洞事件
海野 十三
Leggi 鬼仏洞事件 (きぶつどうじけん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.468 caratteri · 30 schermate
「あー、なるほど。なかなかうまいことをいい居ったわい。はははは。しかしなあ、紛れ込んどるということは、絶対にない。もう何十年も何百年も、毎日毎日人形の顔はしらべているのじゃからなあ。それに、その桃盗人の人形の人相書というのが、ちゃんとあるのじゃ」
「本当かね」
「本当じゃとも、その桃盗人の人相は、まくわ瓜に目鼻をつけたる如くにして、その唇は厚く、その眉毛は薄く、額の中央に黒子あり――と、こう書いてあるわ。まるで、そこにいる顔子狗の顔そっくりの人相じゃ。わはははは」
「あははは、こいつはいい。おい、顔子狗、黙っていないで何とかいえよ」
「……」
顔子狗と呼ばれた男は、無言で、ただ唇と拳をぶるぶるとふるわせていた。そのときである。どうしたわけか、室内が急に明るく輝いた。急に真昼のように、白光が明るさを増したのであった。人々の面色が、俄かに土色に変ったようであった。これは天井に取付けてあった水銀灯が点灯したためであったが、多くの人は、急にはそれに気がつかなかった。
「やよ、顔子狗。なんとか吐かせ」
「それで、わしを嚇したつもりか、盗人根性をもっているのは、一体どっちのことか。