Classici giapponesi con furigana
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まおうものがたり
魔王物語
田中 貢太郎
Leggi 魔王物語 (まおうものがたり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.506 caratteri · 23 schermate
四
四
夕方から降って来た雨に平太郎の処へ見舞に来ていた新八郎は、其のまま泊ることになって二人で一つ蚊帳の中に寝ていろいろな話をしていた。
雨はしめやかに降っていた。気の弱い新八郎は平気を粧うて平太郎と話をしているものの、心では妖怪に怖れを抱いていた。で、何かがさがさと音でもすると心をびくびくさして、其の方に恐ごわ眼をやっていた。
鴨居から蚊帳の上に何かことんと落ちて来てくるくると走りだした。新八郎はびっくりして、
「あれは、あれは」と云った。
「妖怪の仕業でしょう、捨てて置くが宜しゅうございます」と、平太郎は笑いながら云った。
新八郎が好く好く見ると、蚊帳の上の物は己が昼間穿いて来た下駄であった。と、見ているうちに、ふと消えて無くなった。もうこれで妖怪も出ないだろうと思って眼をつむろうとすると、蚊帳の傍の掛竿にかけてあった帷子の袖の中が、きらりと光って一つの生首が顔を出して、新八郎を見て莞と笑った。新八郎は怖れて蒲団の中にもぐり込んで朝まで慄えていた。
翌日になって平太郎は新八郎を送って往って、一日其処で遊んで夕方になって帰ってみると、近隣の壮佼が五六人来ていて、