Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
まと
魔都
久生 十蘭
Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate
いま捜査本部の神田班が「お茶松」の賭場に有明荘の住人岩井通保と川俣踏絵が潜伏していることを確かめ、これから捕物に行くところだと告げている。
真名古は急にカッと目を開く。開くといっても糸のように細い眼だから、瞠ったという印象は与えない。糸のような眸の中から、一種果敢な光が流れ出すによってそれと察しられるのである。こまぬいていた手を膝の上に置くと、また暫く何事かを尋思する模様だったが、やがて卒然たる様子で椅子から立ち上ると、例の大鴉のインバネスを取上げ、それに腕を通しながらゆっくりと課長室を出て行った。もう抒情めかしい顔つきも沈鬱な眼つきもしていない。どうして、それどころか、いささかの疑念の翳もささぬ確固不動たる面持をしている。……すると、真名古はまだ自信を失っていないのであろうか。見受けるところ、寛々たる自恃の色のほの見えるのは、たぶん何か期するところがあるからであろう。一体真名古はこれから何をしようというのであろう。
十五分ほどの後、真名古の乗った自動車は築地小田原町一丁目の「すず本」の門前に停まった。濡石を踏んで玄関へ入って行くと、顔を出した女将が雷にでも撃たれたように慴伏してしまった。