Classici giapponesi con furigana
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いわし
鰯
岩本 素白
Leggi 鰯 (いわし) di 岩本 素白 (いわもとそはく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 967 caratteri · 2 schermate
越生と書いておごせという。埼玉も西の方の、山へ寄った小さな町である。近くに梅の名所があるので、近年は人も知って新月ヶ瀬などというが、それ程の所でもない。然し梅の咲く頃、坂戸の町からバスで越生の方へ向いて行くと、先ず秩父の方の連山が濃い紫にくっきりと見える。町へはいって板葺の低い家並みの後ろに、裸木の雑木山が、風の無いぽか/\日に照らされて居るのを見ると、如何にも早春らしい気がする。
町のはずれの越辺川というのに小さい橋が架って居て、それを渡ると、弘法山という小さい山がある。春もいくらか深くなって、そこの紅梅がむせるように匂う頃、寺の上の明るい雑木山に転がって居ると、鳥がチチと暗き、日は燦々とふりそそぐ。人のぞろ/\行く梅園そのものより、此処の方が遥かに暢んびりとして居る。ここから人も余り通らない村道を玉川村という方へ向いて行く道傍には、大きな枝垂れの紅梅などがあって面白いのである。
弘法山の方へ行かずに、橋手前の道を左へ曲って、水の狭い、多少石などある川沿いの道が梅園への道である。もう其の道にはちらほら梅があって、趣を添えて居る。道傍の万屋の、下駄も小ぎれも瀬戸物も売って居るような軒先にも二三本梅があって、その疎らな白い花が澄んだ青空の下にくっきり映えて居る。